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鼻中隔矯正術の合併症:鼻中隔湾曲症の手術合併症:その対策

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鼻中隔矯正術の合併症:鼻中隔湾曲症の手術合併症:その対策も

 
通常鼻中隔湾曲症には Kilian(キリアン) アプローチによる鼻中隔矯正術が行われます。
 

 

鼻中隔の前方や上方の湾曲(曲がり)がとても強かったり、外鼻変形が強い場合には、別の術式が必要になることもあります。
 

 

このページでは通常のキリアン法による鼻中隔矯正術の合併症と、その対策について記載します。
 

鼻中隔矯正術って?

手術の説明の前に、鼻中隔の解剖についてごく簡単に説明を。

 

鼻中隔は、鼻中隔軟骨、篩骨垂直版(しこつすいちょくばん)、鋤骨(じょこつ)により成り立っています。

 

鼻中隔を構成する各要素は、成長の過程で余剰となった部分が出てきます。

 

鼻中隔の軟骨は、四方を骨に囲まれた状態で全方向に発育します。
 

周囲の骨自体もそれぞれに発育しますので、成長の過程で鼻中隔が曲がったり、折れてトゲのようになったり、外鼻の変形を生じることがあります。

 

ある程度の鼻中隔の弯曲は生理的範囲内で治療対象ではありませんが、がんこな鼻閉の原因になっていたり、痂皮形成や、鼻出血を繰り返すときには手術が適応になります。

 

 

鼻中隔弯曲症の手術である鼻中隔矯正術は、鼻中隔中央の突出した軟骨や骨部分を削除、あるいは矯正し、鼻の通り(鼻腔通気度といいます)を改善しようとする手術です。
 

 

弯曲している軟骨や骨はなるべく大きく切除したほうが矯正はされるのですが、過剰な切除は外鼻の形を保つための強度が不足する原因になります。

 

 

鼻中隔矯正術の合併症:鞍鼻と鼻尖下垂

 

図1 鼻中隔矯正術の合併症

通常の鼻中隔矯正術で削除する範囲は、画像1のサスケアホームページアドレスを記載した部分です。(http://sascare.info/wp/)

 

場合により、一度摘出した軟骨に切れ込みを入れて、まっすぐにしてから再挿入することもあります。

 

手術全般の合併症である出血や感染、疼痛などの他に、特に鼻中隔矯正術で注意すべき、代表的な合併症が2つがあります。
 

 

鞍鼻(あんび:鼻背部が陥没する)

鼻尖下垂(びせんかすい:鼻の頭が低くなる)

 

いずれも簡単にいうと、鼻が低くなる状態のことです。
 
 

 

 

鼻中隔軟骨と篩骨垂直板の接合している部分は、上方で鼻骨に付着しています。

 

この部分は鼻背の構造の維持に重要でKeystone Areaと呼ばれます。
 

手術操作でKeystone Areaの軟骨が鼻骨から外れると鞍鼻になります。

 

 

図2 鞍鼻の分類

画像左の1が正常。数字が上がるほど高度の鞍鼻の状態です。

 

鞍鼻・鼻尖下垂の対策は?

過剰な鼻中隔軟骨の切除は鞍鼻や鼻尖下垂の原因になります。

 

鞍鼻・鼻尖下垂の対策として、鼻中隔軟骨の鼻背、尾側の10~15mmは切除を控えて、なるべく残すべき部分でありL-Strutと呼ばれます。

 

手術ではL-Strut部分を必要十分に確保しつつ、鼻の通りがよくなるように弯曲している部分を切除あるいは矯正します。

 

鼻の通りをよくするだけであれば、大きく軟骨を削除してしまうほうが簡単ですが、外鼻の形態をしっかりと保てるように保存すべき部分はなるべく残す、という相反する要素をいかに理想的な形に整えるかが手術の技術的な肝の部分になります。

 

私自身もこの手術の際に最も注意して行っている部分です。

 

実際には患者さんひとりひとり、鼻中隔の曲がり具合は異なり、教科書的な知識を土台にして臨機応変な対応が必要になります。

 

鼻中隔湾曲症の手術は、以上のような代表的な合併症について
十分に理解し対策をとりつつ、鼻腔形態を整えることが重要です。

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