鼻閉 鼻づまり

手術しない鼻中隔湾曲症の治療 〜切らない治療〜

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鼻中隔湾曲症は鼻の中の壁が強く曲がっている状態のことをいいます。

このページでは鼻中隔湾曲症による鼻閉について、手術以外の治療法でどのようなものがご提案できるか解説します。

通常、高度な鼻中隔湾曲症の治療は手術が第一選択です。

 

鼻中隔湾曲症の原因と治療のページで、

通常の治療については詳しく解説しています。

 

 できれば手術はしたくないという方もいらっしゃるでしょうし、骨の成長が旺盛な時期には手術を控えたほうがよいとの考え方があります。

 

 私自身では、よほど高度な鼻中隔湾曲症でなければ、身長の伸びが止まるくらい18歳くらいまで待機して手術を行うようにしています。学校生活に支障があったり、睡眠呼吸障害が明らかであれば早めに手術を行うことがあります。

 

 このページでご提案している手術しない治療(「保存的治療」といいます。)は子供の鼻中隔湾曲症の治療にも当てはまります。

 

 手術以外の治療ということになると、内服薬、外用薬を用います。

 

 手術ではありますが、切らない治療という意味で、鼻粘膜のレーザー治療もあります。順番に解説します。

 

内服治療

 アレルギー性鼻炎の治療にも用いるロイコトリエン拮抗薬を用います。(モンテルカストあるいはプランルカスト)

 

鼻中隔湾曲症にアレルギー性鼻炎を伴うような方にはかなり有効です。

 

採血によるアレルギー検査でははっきりとアレルゲンの特定ができないような方でも、自覚的な鼻閉については改善を認めることが多い印象です。

 

 アレルギー性鼻炎でよく用いられる抗ヒスタミン薬に比べて、安定した効果発現までに少し時間がかかるので、効果がすぐにでなくてもしっかり継続してもらうように、患者さんに理解してもらうことが大切かなと思っています。

 

 抗ヒスタミン薬のみを処方されているケースが多いのですが、抗ヒスタミン薬とロイコトリエン拮抗薬の併用はとても効果的です。

 

外用薬(点鼻薬による治療)

 ステロイド点鼻薬を用います。これもアレルギー性鼻炎の治療でよく用いられるものです。

 

 最近は市販の点鼻薬でもステロイド含有のものが売り出されるようになっていますが、すこし古い世代の薬になります。

 

 ステロイドですので、副作用を避けるために、なるべく血中濃度があがらず、鼻の局所にのみ作用するお薬が望ましいのですが、病院で処方する新しい世代の点鼻薬のほうが、安全性が高いと考えられます。

 医師の指導、観察のの下に使う分には安全性の高いお薬を考えていただいて良いと思います。妊婦さん、授乳婦さんにも処方できます。

 

 ドラッグストアでは、病院で処方する成分と同じ、と謳っているかもしれませんが、

 

かなり昔に病院で処方していた成分と同じで、今は病院処方薬だと、もっと良いものが出ている。」

 

というところは教えてくれません。これは内服薬においても同じことです。

 

 そもそも点鼻ステロイド薬は、鼻でほぼ消費され、血中濃度の上昇を生じることが少ない(バイオアベイラビリティーが低い)と考えられてきました。

 現在、病院で処方している新しい世代の点鼻薬は、新商品として出てきた際に、「以前のものより、より安全性が高い」ということを売りに、新薬への切り替えを推奨されてきた経緯があります。

 

 というわけで、ステロイド点鼻を使用する必要があれば、病院で処方薬をおすすめします。

 

 病院で処方する、最近のステロイド鼻は1日1回使用のタイプです。

 

 作用時間が長く、効果も以前の1日2回タイプに遜色ないので、おすすめです。古い世代のものに比べて薬剤の匂いや刺激なども、ほぼ感じられないくらいになっています。

 

 より良い効果をえるための点鼻のコツとして、お風呂上がりに使用することをおすすめしています。

 

 鼻閉の強い方でも、入浴後は鼻が通っていることが多いからです。

 

 成人の場合、片方の鼻に2プッシュの製剤が多いのですが、まず鼻の穴にいれて、点鼻薬を水平にして、まっすぐに後ろに1プッシュ。次は眉間の方向を向けて1プッシュすることで、すこしでも広範囲に薬液が届くように、とお伝えしています。

 

 市販の点鼻薬で、ステロイド含有でないタイプのものは、血管収縮薬が入っているものが多いです。使用すると一時的に鼻粘膜が収縮し、それはそれは快適に鼻が通ります。

 

 しかし繰り返し使用することで鼻粘膜の慢性的な腫脹を生じることがあり、とてもガンコな鼻閉を生じることがあります。このような状態を薬剤性鼻炎といいます。

 

鼻粘膜のレーザー治療

 手技上は手術に含まれるのですが、切らない治療のひとつとして、鼻粘膜のレーザー治療が可能です。

 

 鼻中隔ではなく、鼻腔の両脇の壁にあたる下鼻甲介の粘膜表面をレーザーで焼灼します。

 

 ガーゼを鼻の中にしばらく置くことによる局所麻酔で行います。

 

 外来で日帰り治療が可能です。

 

 小児でも、鼻の処置ができる小学校の高学年以降くらいなら可能です。

 

 ただし、鼻中隔弯曲が高度な場合、レーザーの機器先端が鼻の奥まで届かなくて、処理できる範囲が限られることがあります。

 

 このあたりは、レーザー治療の前処置(痛いと処置できない)や、医師の技術力や経験にかなり左右されるところです。

 

 全くレーザー機器が入らないほどの高度の鼻中隔湾曲症というのは少ないので、それなりに有効な方法と考えています。

 

 問題点は、鼻汁、くしゃみなど鼻症状に対する効果の持続期間に個人差が大きいこと。ずっと調子のいい方もいらっしゃれば、数シーズンで効果が乏しくなったと感じられる方もいます。

 

 鼻閉の改善ということについても、同様に個人差が大きいと感じていますが、必要があれば、何回でもトライできる優しい治療なので、調節性がある、という風にとらえれば悪い点とはいえないところでもあります。

 つまり、小児でもトライしやすい治療をいえます。

 

その他の治療

西洋薬で効果が乏しい場合には漢方薬を併用することがあります。

小青竜湯を用いる事が多いです。

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