今日は小児の睡眠時無呼吸についての話題を。
日々の外来でも、お母さん方から
「この子はいびきがすごくて」
とか
「息も止まっているみたい...大丈夫ですか」との相談を受けます。
そんな時はまずこのあたりをチェックします。
アデノイド肥大、口蓋扁桃肥大の程度(4,5歳児ではある程度大きくても正常)アレルギー性鼻炎
副鼻腔炎
顎顔面形態異常
肥満
治療が必要とされた際は
まず成人と同じく、横向き寝や減量など生活指導を行います。
さらに保存的治療と観血的治療(手術)いずれか、あるいは併用を検討します。
保存的治療:
鼻づまりの治療抗ヒスタミン薬:ロイコトリエン受容体拮抗薬ステロイド点鼻:アメリカ小児科学会の2012年の小児OSAS診療ガイドラインでも無呼吸低呼吸指数(AHI)<5のmild OSASに対する点鼻ステロイドが推奨されている。CPAP:小児OSASにCPAPの普及率は低いです。
継続して乳幼児に使用しやすいマスクが少ないことや、日本ではCPAPの保険適応が成人も小児も変わらず簡易PSGでAHI>40、フルスタディのPSGでAHI>20、であること、さらに一ヶ月に一回の外来受診が必要になることも普及しにくい理由かと考えられます。
観血的治療:鼻粘膜レーザー焼灼:小学校高学年くらいになれば局所麻酔で可能です。
アデノイド切除: アデノイドが大きく、鼻閉、滲出性中耳炎、いびき、無呼吸などがあれば手術を検討します。口蓋扁桃摘出術:大きいだけで、ただちに異常ではありません。いびき、無呼吸、習慣性扁桃炎があったり、摂食障害や、体重増加が鈍い、食事に時間がかかる、など生活を総合的に見て手術を考えます。
結論:小児の睡眠時無呼吸においても、
鼻づまりに対するアプローチは重要です。
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