睡眠とアンチエイジング(抗加齢)
健康には睡眠がとても重要ということは、近年の多くの研究から明らかになり巷にはいろいろな情報が溢れかえっています。
このページでは睡眠とアンチエインジングに関連した話題をお届けします。
眠るべき時間は何時間?
これだけ寝れば良いという、決まった時間はありません。
睡眠時間は人それぞれで、朝起きたときに疲れがなく、昼間に普通に活動ができていればあなたの睡眠は足りていると考えてOKです。
寝付きが悪くても、中途覚醒が何度かあっても、昼に普通に活動できていれば不眠症ではないと考えて良いです。
睡眠の加齢性変化
加齢とともに必要な睡眠時間は少なくなります。
睡眠周期に関係して夜間に何度か覚醒することも病的ではなく正常な加齢性変化です。
不眠の治療は「〜時間寝る」ことが重要なのではなく、日中の精神的、身体的活動に支障のない睡眠がとれることが重要になります。
体内時計はどう整えればいい?
ヒトの生体リズムは多くの動物と同じように体内時計によって調節されています。
体内時計は約25時間の周期(サーカディアンリズム)で活動と休息のリズム信号を出しており24時間周期で変化する外部環境とは毎日約一時間のずれが生じています。
このずれを調節するのが光
睡眠に問題を抱えているヒトは起床後も室内でじっとしていることがあります。
仕事や用事をしないで、漫然とテレビなどを見て過ごし太陽光を浴びない生活をしていると昼寝が増え、深部体温やメラトニン分泌の振幅が減少して体内時計の同調機能が低下することで不眠などの睡眠問題が生じることがあります。
そのような場合、起床後2時間以内に戸外へ出て、少なくとも30分以上は光を浴びるようにします。
室内では蛍光灯をつけてもせいぜい300ルクス程度であるが、戸外では曇天でも3000ルクス以上と高照度で体内時計のリセットに効果的です。
体内時計のリセットには光だけでなく、社会的な接触、運動や食事も大切です。
朝食は、脳にエネルギーを供給し、身体のリズムを整えるために大切です。
体内時計のリセットには、バランスのとれた食事、朝食までの絶食期間が長いこと、朝食の量が多いことが要点。
寝る前にちょっと何か食べたりせずに、朝しっかり食べるほうが良いということです。
眠るときに適した明るさは?
昼光色の蛍光灯やLEDにはメラトニン分泌抑制効果のある青い光の波長が強いとされます。
夜間は赤色の光が睡眠には望ましいとされる。具体的には、就寝1時間ほど前から照度を半分程度に落とし、色温度が調節可能であれば暖色系の光に調節するとよいです。
最近の研究では、高齢者の寝室照度について3ルクス未満(豆電球程度)の群と比べ肥満症や脂質異常症の有病割合が1.9倍であったと報告されています。
3ルクス程度の照明でも終夜にわたってつけているとメラトニン分泌が抑制され体内時計の異常から生活習慣病になる可能性が示唆されています。対策としては足元ライトにするなど。
深夜のパソコン、携帯はやっぱり良くないの?
深夜のテレビ視聴、パソコンや携帯電話の操作は大脳を活性化して入眠障害、中途覚醒の原因となります。
よい睡眠のためにはパソコン、携帯の使用は眠る1時間前には控えたほうが良いです。
逆に朝使用することは脳を覚醒させるのによいと考えられています。
睡眠に良い環境は?
目覚めが悪いと日中に眠気があるためついうたた寝をしてしまう、そうすると「疲れたから眠る」という睡眠欲求が低下するために夜間の睡眠の質が低下することになります。
朝になったら光が入るように、寝る前には遮光カーテンを少し開けておくと 光刺激により体内時計がリセットされてよい目覚めにつながります。
脳の中枢時計は光でリセットし、消化管をふくめた末梢の体内時計は朝食でリセットして、脳と身体の時計を同調させることが正常なサーカディアンリズムを取り戻し、アンチエイジングにつながると考えらます。