男性の健康を支える テストステロン
男性が健康で長生きをする鍵になるのは、テストステロンというホルモンの存在です。
テストステロンは思春期に大量に分泌され、骨や筋肉の強度維持、性欲や性機能の維持、造血作用、動脈硬化やメタボリックシンドローム予防に大切な役割を果たします。
上記の作用以外にも、テストステロンは、周囲と関わっていくのに必要な「社会性」を維持するのに重要であることがわかっています。例えば、旅に出て新しいことにチャレンジする精神や判断力、家族や仲間、集団を守る能力など、です。
さらに、テストステロンのレベルが高いと心血管系の病気やがんになる確率も低くなることが明らかになっています。1)
テストステロンの低下を食い止めるには
例えば、仕事は毎日残業が続き、深夜になって帰宅。ひとり晩ごはんを食べて翌朝7時には家を出る。こういう生活を続けているとテストステロンは減少すると考えられます。
テストステロンは夜間眠っているとき、自律神経が副交感神経優位になっている間に産生されます。
ところが睡眠不足が続く生活をしていると、そうしたストレスを「危険」と察知した脳の視床下部がホルモン分泌を止める司令を出す仕組みになっているため、テストステロン産生が低下してしまいます。
ぐっすり眠るためには、準備も大切です。
日本では、白色の蛍光灯を使う場所が多く、深夜であっても白い光で照らされていますが、夜の明かりはストレスとなってテストステロンの産生を低下させます。夜の時間帯を過ごす部屋は、控えめのやさしい明かりが望ましいです。
睡眠のことを考えると、パソコンやスマートフォンも一切見ないのがおすすめです。ついつい見てしまいがちですが。
食生活によるテストステロン増強作用
ウリ科の植物全般に含まれるアミノ酸の一種、シトルリンはテストステロンの作用を補助してくれます。シトルリンは、メロン、ニガウリ、冬瓜、きゅうりなどにも含まれていますが、圧倒的に多いのがスイカ。皮に近い白い部分に多く含まれています。
ほかにもニンニクは肉や魚といったタンパク質と一緒に摂ることで、テストステロン増強作用が発揮されます。カツオのたたき、とかガーリックステーキなどがいいようです。
シトルリンサプリもあります。
1)Lhaw KT, Dowsett M, Folkered E, at al. Endogenous teststerone and mortality due to all causes, cardiovascular disease, and cancer in men: European prospective investigaton into cancer in Norfolk (EPIC-Norfolk) Prospective Population Study. Circulation. 2007; 116: 2694-701