このページでは いびきの治療について解説します。(成人を想定した記載)
日本の働き世代の睡眠について調査では、
軽症の閉塞性睡眠時無呼吸(RDI<15/Hr)はなんと35%とされています。
これすごい数字だと思いませんか? 3人に1人は軽症の睡眠時無呼吸だったというデータです。統計のとり方によって、高くでている側面があるかもしれません。
この35%の中には、いびきの騒音 に困っている方がいます。
いびきという症状は、ベッドパートナーに指摘されて、初めて気がつくことが多いとされます。
それでは次に、そのいびき、ほっといていいの? 悪いの?ということについて。
怖いいびき? 怖くないいびき?
検査の必要性を見極めるために、以下のような項目について質問します!
昼間の眠気
鼻閉(アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎)、扁桃肥大
高血圧、糖尿病、呼吸器疾患
寝酒の習慣
体重増加
上記項目がある→ スクリーニング検査(自宅でできる簡易睡眠検査)を行います。
スクリーニング検査をして、
単純性のいびき(いびき音だけで睡眠時無呼吸には該当しない:AHI<5)か
睡眠時無呼吸(AHI>5)に該当するかの判定をします。
(スクリーニング検査の場合、正確にはAHIではなくRDIという指数で評価します。AHIとRDIについての詳しい説明はページ最下部にあります。)
ここからが大事!
それでは 睡眠時無呼吸を除外できて 単純ないびき症である場合(AHIあるいはRDI<5)
の場合、下のような治療を行っていきます。各リンクページで詳しく説明しています。
どのような治療がその方にフィットするのか。
ライフスタイルや、お困りの症状に合わせて、ご一緒に考えていきます。
多くの治療手段の中から、より良い選択を探すお手伝いをします。
AHI>20でCPAPの保険適応があるレベルでも上手くいかないことがあります。CPAPがうまくいかないとき(←リンク:CPAPが上手くいかない12の理由)も、そのまま放置するよりは少しでも下記のような方法をご案内して、よい状態に導くお手伝いをします。
1.鼻閉(鼻詰まり)の治療
鼻呼吸を改善するための点鼻薬(薬剤性鼻炎への配慮が必要です)、ナステント、口テープ、チンアップベルト
2.体位治療
側臥位(横向き寝)により特別な治療を要せずにAHI<10となるケースがけっこうあることが知られています。専用の寝具もあります。(ベッド、枕、ボディピロー、抱き枕)
3.口腔内装置
Oral Aplliance (OA) 下顎を前方に移動することにより気道を拡大するタイプや、舌を前方にけん引、維持し気道狭窄や閉塞を防ぐタイプがあります。
4.口腔機能訓練
Myofunctional Therapy: (MFT)
5. 手術
Sleep Surgery: いびき改善のため手術
↑内部リンクサイトで、いびきに対する手術について解説しています。
追記:過去には、LAUP(Laser assisted uvloplasty )と呼ばれる口蓋垂(のどちんこ)に対する手術が低侵襲の外来手術として広まりましたが、現在、米国の臨床指針ではLAUPは、成績の低さ、熱侵襲後の瘢痕狭窄などの術後合併症が問題となり閉塞性睡眠時無呼吸については奨められない治療としています。いびき患者にLAUPを検討する場合は、睡眠検査を正確に行い、単純ないびき症であることを確認する必要があると考えます。
大阪 和泉市の耳鼻咽喉科
電話 0725-50-3333
医学博士
耳鼻咽喉科専門医
抗加齢医学専門医:中西 悠
中西外来日をお電話で確認いただけると、直接対応可能です!
注釈:AHI(apnea-hyponea index):無呼吸低呼吸指数:呼吸気流が低下し、胸部、腹部の呼吸運動が減弱し、酸素飽和度が3%以上低下し、10秒以上続いたものをAHI:1回のイベントとして計測します。睡眠中に発生する1時間あたりのAHIが5回以上のものを異常とし、睡眠時無呼吸と定義します。AHI>20でCPAP保険適応。
RDI(respitatory disturbuance index) 簡易無呼吸検査や酸素飽和度計では、脳波を記録しないため検査上に記録した無呼吸イベントが睡眠中かどうか不明です。つまり、覚醒時のため息や呼吸の乱れでも酸素飽和度が変化し、RDIが陽性と計測されることがあるため、通常、同一患者でもRDIはAHIより高く計測される傾向があるとされます。RDI>40でCPAP保険適応。