どのようなことから、睡眠時無呼吸を疑うと思いますか?
ここでは 睡眠時無呼吸の診断について解説します。
睡眠時無呼吸を疑うキーワード:問診でわかること
本人の眠気の自覚、息苦しくて身が覚める、何度も目を覚ましトイレに行く、早朝の頭痛。
昼間の症状(耐えがたい眠気、よく居眠りをする、記憶力、集中力の低下、性欲低下、性格変化)
家族からの問診(いびきをかく、息が止まる、呼吸が乱れる)
身体的特徴(肥満度、体重の変化)。
交通事故やその他のニアミス、仕事上の不注意。
小児では、不注意、多動、攻撃的行動などADHD様症状、学業成績、身体発育など成長に関する影響も考慮します。
睡眠時無呼吸の検査について
睡眠検査には簡易睡眠検査とPSG (終夜睡眠ポリグラフ検査)の2種類があります。
無呼吸の定義とは10秒以上の気流の停止であり、これに胸部または腹部の呼吸運動が伴うものを閉塞性、呼吸運動の消失を伴うものを中枢性と定義します。
SASの重症度は無呼吸低呼吸指数(apnea htpopnea index: AHI)によって
軽症(5~15)
中等度(15~30)
重症(30以上)に分類されており、
PSG検査でAHI20以上が持続式陽圧呼吸法(continuous positive airway pressure: CPAP)の保険適用となっています。
↓リンク↓AHI20以下は治療しなくていいの? 〜軽症で良かった、ではありません。〜
1.簡易睡眠検査
長所:自宅で検査可能
短所:睡眠脳波の測定ができないので、実際患者さんが寝ているかどうかわからない。睡眠のステージがわからない。
低呼吸(基準値の呼吸より50%以上の換気量あるいは気流の低下が10秒以上持続し、さらに3%以上の酸素飽和度の低下か覚醒反応を伴うもの)が判定できないため、厳密にはAHI(無呼吸低呼吸指数)の測定ができず、RDI(呼吸障害指数)と呼ぶべきとの意見がある。
そのため、簡易モニターで算出したAHIは推定値であるため、PSGで求めたAHIと区別するためRDIと表記することがある。
簡易モニターの場合はAHI(あるいはRDI)が40以上でなければCPAPの保険適応がない。
2.PSG (終夜睡眠ポリグラフ検査)
眼球運動、脳波、オトガイ筋電図、鼻呼吸センサ、胸部、腹部の呼吸運動、いびきマイクロフォン、心電図、経皮的酸素飽和度(SpO2)、下肢筋電図、体位センサなどを終夜にわたって記録するもの。
正常成人でのREM睡眠は総睡眠時間の20~25%で、80~100分間隔に10~20分ほど続き、それが一晩に4~5回出現する。
脳波上の覚醒反応は3秒以上15秒未満の覚醒反応(arousal)と15秒以上の覚醒(awaking)とに分けられる。閉塞性無呼吸によって引き起こされるarousalは、頻回であれば分断睡眠となるため昼間の眠気や精神機能の地下を引き起こす。
PSGで見るべきポイント
- 身体の異常(酸素飽和度低下、心電図上での不整脈など)
2. 睡眠脳波のどの時点での異常かを見極める。
治療が必要なSASと診断がついた場合、程度によって治療法が異なります。
治療のページで詳しく記載します。
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