昼寝の長さはどれくらいがいい?
このページでは、昼寝の長さについて、科学的に根拠のある情報を提供します。
日本抗加齢医学会(アンチエイジング学会)でも取り上げられた話題です。
昼寝の効果は?
加齢とともに、脳や身体を使う仕事や運動量が少なくなり、基礎代謝量も低下するために、身体が必要とする睡眠量は減少します。
適度な昼寝は、午後の眠気の改善や、夜の睡眠状態改善に有効と考えられています。
しかし、昼寝が長くなると、睡眠物質が減少し、夜の睡眠の質が低下すると考えれています。
長過ぎる昼寝は死亡率がアップ!?
65歳以上の高齢者に30分の昼寝をとってもらった研究では、午後の眠気が改善し、覚醒度や作業成績も上昇、夜間の中途覚醒の減少や睡眠効率の改善がえられることが報告されています。
また、高齢者(男性)における昼寝の習慣と死亡危険率の関係をみた報告によると、昼寝の習慣をもたない高齢者と比較して、1時間以上の昼寝を習慣的にとっている高齢者ではその死亡率は2.61倍、2時間以上の昼寝をとっている場合には、なんと13.6倍にも達していました。
さらに昼寝の時間とアルツハイマー型認知症発症の危険率を調べた別の報告では、昼寝の習慣のない高齢者に比較して1時間以上の昼寝を習慣的にとっている高齢者では、危険率は2.07倍に増加していたとされます。
逆に、昼寝習慣があっても、昼寝が1時間以内の場合には死亡危険率は昼寝をとらない高齢者と差はなく、昼寝の時間が30分以内であればアルツハイマー型認知症発症の危険率は0.16まで低下することが報告されています。
お昼寝の時間は 30分くらいがよい。
上記は、高齢者に限定した研究なので、これだけで適切な昼寝の長さを決めてしまうことはできませんが、30分以内の短い昼寝であれば、午後の眠気予防と夜間睡眠の改善に役立つだけでなく、アルツハイマー型認知症予防のようなアンチエイジング効果、種々の疾患の予防に役立つ可能性があります。
ちなみに、子供の場合は、眠るチカラが強く、7,8分程度の短時間で深い睡眠に至るので10分程度の昼寝でも十分ではないかという考えが出てきています。