このページでは、鼻づまりと、いびき・睡眠無呼吸の関係について解説します。
よい睡眠は、よい鼻呼吸から。まだあまり一般的ではありませんが、近年の睡眠学会でも強調されています。
いびきや睡眠時無呼吸の訴えのある方の中には 長年の鼻閉(鼻づまり)で
お困りの方が少なくありません。
高度は鼻閉の方の中には、ずっと鼻閉の状態だったので、鼻閉があることにすら気がついていない方もいらっしゃいます。
いままでに、私が診察させていただいた方で、たいへん高度な鼻閉があった方は、
こんな名言を残されました。
「一回もまともに鼻で息ができた記憶がない。みんなが鼻呼吸できるなんて嘘だと思ってた」と。
この方は、高度の鼻中隔湾曲症と、肥厚性鼻炎があった方で、おそらく御本人が覚えていらっしゃらないのですが、手術所見では鼻の外傷歴もあるのでは、という所見でした。
鼻中隔矯正術と粘膜下下鼻甲介骨切除で、鼻腔の形態と左右のバランスを整える手術をしたところ、また名言を残されました。
「鉛筆の芯くらいだった鼻の穴が、スタバのフラペチーノのストローくらい通るようになしました!」と(笑)
睡眠状態もよくなったようで、とても経過の良かったケースでした。
専門的な研究でも、鼻閉と睡眠時無呼吸の関係についてはいろいろな報告があり、
日本睡眠学会でも、よい睡眠のためには、まず鼻呼吸を確保することの重要性が指摘されています。
人間は睡眠時には、鼻呼吸になろうとするので、鼻閉があると自然な呼吸が妨げられることになります。
強い鼻閉があると、口呼吸にならざるを得ないのでいびき・睡眠時無呼吸には不利は睡眠スタイルになります。
また日中の慢性的な鼻閉は、体験した人でないとわからない辛さがあります。
私自身はアレルギー性鼻炎による鼻閉で、学生時代に随分苦労しました。
花粉の時期は、くしゃみ、鼻水に加え、鼻閉がひどくて、勉強どころでなく、ホントに泣きたい...という日々だった記憶があります。
耳鼻咽喉科医になり、自身の身体で実験するようにお薬をいろいろ試してみたところ、
スギ花粉のピークの頃にもほとんど困ることがないくらいにコントロールできるようになりました。
私自身は、花粉症のピーク時には抗ヒスタミン薬、LT拮抗薬、ステロイド点鼻の3剤併用でコントロールしています。
それぞれのタイプのお薬に種類がいろいろあるので、実際に患者さんの処方する際には、その方のライフスタイルや、症状に合わせて調整します。
鼻づまりが気にならない生活は本当に気持ちが良いものです。
上記のような アレルギー性鼻炎によるもの以外にも鼻閉の原因はさまざまですが、これが取れるだけでも日中の生活、睡眠時の呼吸のしやすさは随分変わってきます。
専門的な研究でも、鼻閉の改善が睡眠時のQOLの改善に寄与するとの報告があります。
鼻閉の原因の一つ鼻中隔湾曲症についてはこちらで解説しています。
ドラッグストアで、お薬を継続的に求めたり、最近いろいろ出回っている鼻づまり改善グッズをお試しになる方も多いですが、原因をはっきりさせないままの対処になるので、必ずしもうまくいかないようです。
早めに治療していればよかった....との声もよく聞かれます。
市販のお薬では全然効果を感じられなかったり、耳鼻科に受診してみたけど
具体的な治療方針を示されなかったようなご経験のある方は
ぜひお気軽にご相談いただければと思います。
できる限りお手伝いさせていただきます。
大阪 和泉市の耳鼻咽喉科
電話 0725-50-3333
耳鼻咽喉科専門医:中西 悠