鼻づまりに対する治療:再手術
このページでは過去に鼻づまりを改善するために鼻中隔矯正術を受けられたのに鼻閉が残る、という方についての治療経験をお話します。
私が担当させていただいたのは、2回目の手術させていただいたのは、長年、鼻閉で困っている方。
30年ほど前に、局所麻酔で鼻中隔湾曲症の手術を受けられたとのこと。
しかし、診察させて頂くと、鼻中隔は鼻の入り口から大きく曲がっています。
鼻の奥の方ではさらに大きく曲がったままになっており、ガンコな鼻閉の原因と考えられました。
鼻づまりを改善することを目的に、鼻中隔湾曲症の再手術をさせていただくことになりました。
どんな状態だったか...
手術中の所見では、鼻中隔の前の方の軟骨のみ、過去の手術によって除去されていました。
しかしながら、鼻閉の改善にはあまり寄与しない手術になっていました。
さらに後方の鼻中隔(骨の部分)は大きく曲がったまま、手付かずで残っていました。
結局この方の場合は、鼻中隔の再矯正と粘膜下下鼻甲介骨切除をして、左右のバランスがとれた鼻腔形態を整えました。
初回手術は局所麻酔での手術だったそうなので、手術中の痛みや出血で深部の操作が難しかったのかもしれません。
あるいは初回の術後に、長い時間を経て、下鼻甲介の腫大も生じて鼻閉が出てきたのかもしれません。
いずれにしても、鼻中隔矯正術は、
「狭いものと拡げよう」という単純な論理の手術なので
矯正が不十分で、鼻腔が狭いままになってしまっては、当然、効果が不十分になります。
手術を受けたのに鼻づまりが残っているという方へ
私が医師になって、鼻中隔矯正術を習った頃は鼻中隔湾曲症の手術はまだ肉眼で行うのが普通でした。(2002年に医師免許取得していますので、15年以上前です。)
私が医師になる少し前くらいから、LEDヘッドライトや内視鏡手術が普及してきたので、私自身では術野は十分に明るい時代しか知りません。
しかしながら、先輩ドクターのお話を聞くと、額帯鏡の光だけ手術を行っていたような時代は、鼻中隔の手術は、術野が暗くて見にくい手術の代名詞のようなものだったそうです。
現代のように内視鏡で観察する術がなかった時代、鼻腔後方は暗くてよく見えず、医師の解剖学知識と勘をたよりに手探りで行う、という側面があったはずです。
当時の医師が、現在の毛細血管一本まで近づいて見える内視鏡の明るい術野見れば、「なんと術野のよく見えることか」と驚かれると思います。
かなり昔に局所麻酔で、肉眼で行う鼻の手術を行っていた時代には、見える範囲の鼻中隔をササッと手早く処理して、ある程度鼻閉が改善すれば良し、としていたケースもあっただろうと思います。
局所麻酔の手術では、あまりに出血が多いと喉に流れ込んで、手術継続が難しくなります。また麻酔の技術がしっかりしていないと、鼻中隔後方操作は難しい場合もあっただろうと推測します。
名人クラスの先生であれば局所麻酔でも問題ないのかもしれませんが、骨の削除操作が多くなる場合、間違いなく患者さんはしんどいと思います。
再手術について
今の施設だけでも、鼻中隔矯正術後の方の再手術も、かなりの数を経験するようになっています。
再手術例は、組織の癒着があることが多く、操作がやや難しくなりますが
内視鏡を用いて慎重に処置することで対応可能です。
日中の鼻閉だけでなく、鼻呼吸が改善すれば、睡眠状態改善にもつながることがあります。</p>
実際には鼻が詰まっているわけではないにもかかわらず、鼻粘膜の萎縮により鼻詰まり感を訴える萎縮性鼻炎のような場合もあります。
気になる方はお気軽にご相談ください。
大阪 和泉市の耳鼻咽喉科
電話 0725-50-3333
耳鼻咽喉科専門医:中西 悠
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