このページでは近年よく耳にするようになった糖化ストレスについて解説します。
日常生活に取り入れられる対策についても解説します。
糖化ストレス
糖化ストレスとは、還元糖、脂質、アルコールに由来するさまざまなアルデヒドが身体の中に過剰にできた状態のことです。
これらのアルデヒドは、タンパク質など生体内物質と反応してカルボニル修飾蛋白や糖化最終生成物(Advanced glycation end products: AGEs)を生成します。
その結果、AGEs/RAGE(receptor for AGEs) シグナルを刺激してさまざまな変化を生じ、老化に伴う退行性変化や疾病の病因になります。
糖化ストレスに対する防御機構を生体は持ちますが、生活習慣が良くないとアルデヒド生成量が多くなり対応が追いつかずにAGEsが蓄積することになります。
糖化ストレスによって生じるAGEsは、血管、神経、筋、骨など身体全体にさまざまな影響を及ぼし老化関連疾患の発症および進展に関係します。(ページ下部に列記しています。)
なるべくAGEs産生を増やさないこと、またAGEsを処理できる身体を維持することが重要ということになります。
糖化ストレス対策
食育、体育、知育といった生活習慣からのアプローチが必要です。
体育として...
有酸素運動はグルコース消費を促し、筋肉負荷トレーニングによる骨格筋の維持は糖化ストレスに対する抵抗力を高めます。
食育として...
原因物質の吸収を遅らせるために、よく噛んでゆっくり食べる。
野菜など食物繊維を先に食べるようにする。
食前に食酢、黒酢、ヨーグルトを摂取する。
朝食を抜かない。
白飯やパンの単独摂取はオススメできません。
AGEs生成を抑制するために、抗糖化機能成分を多く含むお茶 (Camelia sinensis ) やハーブ茶(カモミール、ドクダミ、ルイボス)、野菜、果実を多く摂る。
体に優しい100%有機栽培のルイボスティー【ロイヤルT ルイボスティー】
知育として...
睡眠の質を高めること。
睡眠不足、不規則睡眠、睡眠の質の低下(SASなど)は内蔵肥満を助長し、確実に糖・脂肪代謝を悪くします。
↓SAS:睡眠時無呼吸とは↓
過剰な飲酒を避ける、禁煙、動物性脂肪依存から脱却すること。
動物性脂肪の習慣的摂取は、脳内報酬系や視床下部の神経細胞にERストレス負荷を与え、動物性脂肪への依存性が形成され、運動が嫌いになり、膵ラ氏島β細胞の機能を低下させるという報告があります。
糖化ストレスの身体への影響
眼: 白内障 加齢黄斑変性
皮膚: 皮膚コラーゲンの糖化、メラニン産生↑、シミ形成
脳: 認知症; アルツハイマー型、レビー小体型、血管型 いずれも関連あり。
血管: 動脈硬化 アテローム形成↑ 血管壁の硬化
骨: 骨粗鬆症や変形性関節症 骨・軟骨コラーゲンの糖化、骨芽細胞、破骨細胞の分化・成熟障害
筋:筋萎縮 サルコペニア アクチン、ミオシンの糖化