アレルギー性鼻炎で困らない方法

【予想以上に快適】ゾレア使用感:耳鼻科専門医が打ってみた。

このページはスギ花粉症の耳鼻咽喉科専門医が、自分自身でゾレアを試してみたレビューです。

リンク→→→ゾレアのわかりやすい説明はこちら

正直なところ半信半疑で投与してみたのですが、かなり生活環境が改善しました

 

ゾレアは、2019年末にスギ花粉症の適応がとれたばかり。投与経験のある医師はまだ少ないと思います。

 

ゾレアを投与するには、過去の内服治療歴や、採血によるIgE抗体の確認など多くの条件が定められています。

 

「もうちょっと、どうにかならないのか」

花粉症でお悩みの方は多いと思います。

 

必要な方に情報をお届けできたら!と思いこのレビュ−を作成しました。

 

投与の感想は、私個人の印象なので、すべての方に同様に当てはまるわけではございませんが、参考になれば嬉しいです。

 

では、レポートします!

 

結論:ゾレア予想以上に
快適です。

 

くしゃみ、鼻水だけでなく鼻閉症状にかなり効果が感じられました。

 

鼻閉(鼻詰まり)がないと睡眠の質も良くなるので日中のパフォーマンス全体が改善する印象です。

 

結果、「期待していたよりずっとイイね!」です。

 

これまでの花粉症治療ではコントロール不良の方で、どうしても快適生活を維持したい方。

 

鼻水、鼻閉による鼻声などは困るという方。

 

人前に立つのが仕事という方。

 

花粉症で日々のパフォーマンスがすごく落ちてしまう…と感じる方には特におすすめできます。

 

ゾレア投与後の経過については下記に順次更新していきます。

 

 

私のゾレア投与前後の症状

 

花粉飛散前から、抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン拮抗薬、ステロイド点鼻(以下、定期薬)の三剤を併用していました。

 

2020年花粉シーズンに突入し、鼻閉、鼻汁、目のかゆみが少しある状態。

 

日によって、鼻閉、鼻汁がひどいことがありました。

内服薬無しでは、鼻が完全に詰まり、ひっきりなしに鼻汁とくしゃみ連発レベルです。

 

コロナウイルスの影響で、日常的にマスク着用しているためか、例年よりは症状が軽い印象でした。

 

投与時点では、花粉の飛散量は例年より少なめ、という環境でした。(大阪府、和泉市)

 

投与前の採血と体重から、私の場合「ゾレア150mg 4週毎投与」が適応になりました。

 

 

【いいかも!?】ゾレア投与使用感レビュー

 

2020年 3月13日 ゾレア 皮下注150mg 初回投与

 

投与当日:左上腕に皮下注射(1.4ml)硬結や赤み、かゆみなど全く気にならず。

 

投与時もたいして痛くない。ごく普通の皮下注射です。

 

量が多いのですが気になりませんでした。

 

この日、鼻は、まずまず調子がよい方。ごく軽度の鼻閉感程度。鼻汁、目症状は内服でほぼコントロールされていました。

 

上記の定期薬3剤は数週間前欠かさずに継続中でした。

 

投与翌日(1日目) この週最後の勤務日。投与した週は海外から来られた方の手術や、繁忙期の疲れと緊張がピークの上、コロナウイルスへの院内対応なども重なって寝不足ぎみでした。

 

ちょっと疲れた感じがあったものの、よく寝た翌朝にはすっきりしていたので、ゾレア投与によるものかどうかわかりません。気分的なものの可能性が高そう。

ゾレア注射後、鼻は通っている。効いてるのかな? ゾレアの効果なのかどうかまだよくわからない。定期薬は継続。

 

 

投与後2日目 鼻は通っている。効いてるのかな? ゾレアの効果なのかどうかまだよくわからない。定期薬は継続。

 

 

 

投与後3日目 鼻はいつも通っている。ゾレア効いてのかな? ゾレアの効果なのかどうかまだよくわからないが、なんだかいつも調子がよい感じで不思議感じです。普通なら、この時期にこんなことはありえない。定期薬は継続。

 

 

投与後4日目 鼻はいつも通っている。体位変化でも鼻閉が全くでないのはこの時期本当にめずらしい。寝るのがラク。寝ても起きても鼻が通る。ゾレアの効果が明らかに実感できるようになったので、定期薬はロイコトリエン拮抗薬のみにしてみる。

 

 

投与後5日目 依然、いつも鼻は通っている。快適。ラク。鼻汁、目のかゆみもなし。マスク無しで、屋外を30分散歩してみるが、やはり花粉症症状は出ない。本日から定期薬はすべて休止にしてみます。

 

投与後6日目 依然、いつも鼻は通っている。快適。ラク。鼻汁、目のかゆみもなし。内服も点鼻も使用していない。マスク無しで、屋外を30分程散歩してみたところ、帰宅後くしゃみが一回。それだけ。この日の花粉飛散はスギ花粉中心で少なめの予報(参照:ヤフー花粉情報2020)

投与後7日目 依然、いつも鼻は通っている。内服点鼻なし。そろそろ以前に内服していた薬剤の影響も完全に無くなっている頃。

 

朝から1時間ほど屋外で運動してみる。。サングラス着用。マスクなし。でも症状ほぼ変わらず。屋外にいる間に、ほんのすこし鼻汁あるかなという程度。目のかゆみ一切無し。帰宅後はすぐに無症状に。この日は深夜から風が強く、昨日洗車したクルマの窓ガラスが黄色く曇る程。ヤフー花粉情報ではスギ花粉中心で少なめの予報ではあるものの、窓ガラスの状態からはけっこう飛んでいるのでは。

 

投与後8日目 ほぼ鼻は通っている。ときどき左鼻閉すこし。内服点鼻なし。今日は花粉飛散が多い予報。鼻汁がほんの少し。くしゃみ2回。この時期の状態としてはコントロール良好。

 

 

投与後9日目 ほぼ鼻は通っている。ときどき右鼻閉すこし。内服点鼻なし。今日は花粉飛散がやや多い予報。鼻汁がほんの少し。くしゃみ1回。この時期の状態としてはコントロール良好。

 

投与後12日目 ほぼ鼻は通っている。ときどき右鼻閉がすこし。内服点鼻なし。今日は花粉飛散がやや多い予報。鼻汁がほんの少しいつもより多いかなと言う程度。くしゃみ2〜3回。この時期の状態としてはコントロール良好。花粉の量で少しは症状出るのだな、という感じ。

 

投与後14日目 ほぼ鼻は通っている。ときどき右鼻閉すこし。内服点鼻なし。今日は花粉飛散が少ない予報。鼻汁はほぼ無し。この時期の状態としてはコントロール良好。

 

投与後16日目 ほぼ鼻は通っている。鼻閉なし。鼻汁はほぼ無し。内服点鼻なし。今日は花粉飛散はスギ、ヒノキ中心で少ない予報。この時期の状態としてはコントロール良好。コロナウイルスによる新型肺炎対策で、不要不急の外出は控えるよう促されている週末。
マスクの使用も例年に比べて徹底しており、花粉暴露も少ないため、鼻症状はほぼ無しで経過中。

投与後21日目 ほぼ鼻は通っている。投与直後と比べると軽い鼻閉はあることが増えてきた。鼻汁はほぼ無し。内服点鼻なし。くしゃみが一日一回くらい。今日は花粉飛散はヒノキ中心でやや多い予報。この時期の状態としてはまあまあコントロール良好。ゾレアの半減期が3週間前後ということもあり、やや効力が弱まってきた印象。

 

投与後25日目 ほぼ鼻は通っている。投与直後と比べると軽い鼻閉はあることが増えてきた。鼻汁はほぼ無し。内服点鼻なし。くしゃみが一日一〜二回くらい。私はこの時期抗ヒスタミン薬がないと咳が出ることも多いのですが、少しのどの違和感があり。今日の花粉飛散はヒノキ中心でやや多い予報。この時期の状態としてはまあまあコントロール良好。そろそろ抗ヒスタミン薬、LT拮抗薬、ステロイド点鼻いずれかは追加しないとちょっとコントロールが不安定になってきました。それでもほぼ終日、ひどい鼻閉にならないのは圧倒的に生活の質を改善します。

 

 

投与後29日目 依然としてほぼ鼻は通っている。投与直後と比べると軽い鼻閉はあることが増えてきたものの。鼻汁はほぼ無し。くしゃみが一日一回くらい。内服点鼻無しということを考えると驚くべき効果。今日の花粉飛散はヒノキ中心でやや多い予報。この時期の状態としてはコントロール良好。いつまで効果持続するだろう。投与後4週経過して、まだ持続感あり。

投与後35日目 投与直後と比べると軽い鼻閉と鼻汁が増えてきた。くしゃみが一日一回くらい。内服点鼻無しということを考えると驚くべき効果だったが、仕事の支障がでるのが怖いので、内服も投薬開始。今日の花粉飛散はヒノキ中心でやや多い予報。投与後5週目には効果の減弱を感じる結果でした。

結論 (個人的見解です。)

次回、またゾレアを投与するか?

→ スギ花粉飛散期には迷わず投与します。快適!

私はスギだけでなく、ヒノキ花粉症もあるのですが、アレルギーの元から抑える作用機序なので、どちらにも効きます。

ゾレアの適応はスギ花粉症だけなんですが....

【悲劇】私とスギ花粉症

すいません 長文です...。

 

スギ花粉症の症状がひどくなったのは高校生の頃から。

 

花粉シーズンは、鼻水に溺れそうで、目もかゆくて大変。

 

アレルギー性鼻炎のない方には、なかなか理解し難いと思いますが、ひどいアレルギー性鼻炎ってかなりしんどいんです。

 

私個人の印象では、インフルエンザ罹患時と同じくらいしんどい。

 

1週間ほどでよくなるインフルと比べて、長引く分だけ、タチが悪い。

 

毎年、必ずスギ花粉は飛びますし。

 

「花粉症」なんて 響きはちょっとカワイイくらいじゃないですか。

 

重症の場合には、そんな生易しいものではございません。

 

私の通う高校は、丘の上というか山の中にあったんです。

 

近畿大学付属和歌山高校。

スギも近くにたくさん植わっていたと思います。

 

 

花粉症で苦しんだ記憶。

今も忘れられない情景があります。

 

 

春先の教室。

クラスの皆が暑がるので、窓を少し開けて換気しています。

 

さわやかな風が、そよそよと教室に吹き込みます。

 

私は窓際の席。

 

目には見えないものの、間違いなく大量に流れ込んでくる花粉の最前線にいました。

 

試験中の静かな教室。

ひとり絶え間なく鼻をすすり、鼻水で答案用紙を汚さないようにと必死でした。

 

花粉症の時期なのに、お薬を飲まずに行ってしまったんです。

 

まず鼻が完全に詰まってアタマが回りません。

 

目も腫れてくるし、触れば触るほどかゆいし、イライラ最高潮。

 

サラサラ溢れ出す鼻水をティッシュで拭っていたのか、ハンカチを持っていたのかどうかも覚えていませんが、答案用紙の上にポタリ...

 

ああ、もう試験どころではありません。

 

それでも花粉を含む風は、そよそよと静かな教室に吹き込みます。

 

爽やかな春の風と、この自分の症状の対比が滑稽でした。

 

どうして花粉さんは、私を狙い撃ちするのか...

他のみんなは平気そうじゃないか。

 

前世で、スギの木を切りまくった木こりだったのかと思いを馳せても、試験中です。

 

とりあえず鼻をかめ。

 

今ならティッシュで鼻栓して、笑いもとれたら一石二鳥でラッキー!くらい思いますが、当時は、思春期ど真ん中。

 

鼻栓なんて、恥ずかしくて無理です。

 

そもそも花粉症は、一旦スイッチ入ると

鼻栓くらいじゃ、駄目でした。

 

どこからそんなに出てくるのかというくらい、とめどなく溢れてきます。

 

くしゃみして、鼻栓がポーンと前の席の女子めがけて飛んでいっても困りますし。

 

思春期としては、それは絶対に避けたいことでした。

 

 

鼻汁で溺れそうになりながら

もう駄目だあ…となすすべもなく、絶望に近い気持ちで

ホント泣きたい気持ちになった光景を

いまでもよく覚えています。

 

 

「アレルギー性鼻炎なんて全然ないよー。」という方には

花粉症でこんな風になる人の気持ちはご理解難しいかもしれません。

 

あの時は、目も鼻もボロボロで もう泣いてるのと区別つかないくらいでした。

ああ、あれは泣いていたのかもしれない。

 

 

そんな体験をした後は、花粉の時期にお薬を忘れることはほとんどありませんでした。

 

「こんな花粉の多い和歌山から絶対に出ていってやる!」と

受験勉強に変なモチベーションがあったことを覚えています。

 

なにしろ学校が山の中だったので、

毎日、花粉の山に通うようなものでした。

 

あれれ...耳鼻科医としての自分があるのは花粉のおかげかも。

ここまで書いて再認識。

 

 

ともあれ、そんな状態ながらどうにか、大学受験をクリア。

 

九州の大学に進みましたが、やはり花粉症には悩まされ、市販のお薬でなんとかしのいでいました。

 

特に困ったのは、やはり試験のときです。

 

 

市販のお薬を飲んでも

アタマがボーッとする、眠い、とにかく口が渇く、目も乾く…

 

そんな状態でも 答案用紙に鼻水が落ちたり、試験時間中鼻をすすっていないと

いけないくらいなら、飲んだほうがマシでした。

 

当時は、それで「コントロールできている」と思っていましたが

抗ヒスタミン薬の中枢移行によるパフォーマンス低下を考えると

もったいないことをしていたと思います。

 

耳鼻科の先生に頼れたなら、お勉強で苦労することもいくらか少なかったかもしれません。

 

医師国家試験の際にも、絶対に忘れないように!

と花粉症の薬を飲んで臨んだことが記憶に残っています。

 

当時、医学部6年生。

その時点ではまだ耳鼻科医になることに迷いがあり

先輩の耳鼻科医師に、アレルギー症状を相談することもできずにいました。

 

相談できるほどの仲の先生もいらっしゃいませんでしたし。

 

耳鼻科医になってからは、お薬をいろいろと試しやすい環境います。

 

出回っている抗アレルギー薬は、これまでに大部分を自身で使用感を試してきました。

 

試すというより、自分自身の症状をいかにコントロールするかが切実でした。

耳鼻科医が花粉症でグジュグジュでは、説得力ゼロ間違いなし。

 

私が自身のアレルギー性鼻炎治療にこだわってきた背景には、アレルギー性鼻炎をコントロールしておかないと、すぐ副鼻腔炎になってしまうということがあります。

 

一度、副鼻腔炎になると、耳鼻科医であってもなかなか改善させられないことがあるので。

 

 

近年の花粉症シーズンは、抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン拮抗薬、ステロイド点鼻の三剤併用を欠かさず使用。

 

それでも、花粉の多い時期にはコントロール不良になることもしばしば。

 

この時期の鼻閉と鼻汁は、もうしょうがないのかなと思っていました。

 

免疫療法も適応になるので、大学病院勤務時代の終わり頃に、しばらくトライしたことがあります。

 

当時は業務が忙しく、研究や学生さんの指導もあり、食事の時間もない程、時間に追われていました。

 

結果、舌下免疫療法のお薬を処方に行く余裕はなく、何年も継続するのは後年にしようと、中途で断念しました。

 

 

そんなわけで、花粉症の方には 私、特に優しく接しているようにと思います。

 

花粉症の苦労に共感できるので、花粉から守ってあげるべき同士、くらいに感じます。

 

 

新しくスギ花粉症にも適応になった注射薬 「ゾレア」

作用機序が、既存のお薬とは大きく違います。

 

自分でも一度試してから、患者さんに紹介できたらいいなと思い、

このレビューを書いています。

 

時間経過に合わせ、追記していきます。

 

ゾレア投与をお考えの方の参考になれば嬉しいです。

リンク→→→ゾレアのわかりやすい説明はこちら

↓ゾレア投与をお考えの方は、ご相談ください。

大阪 和泉市の耳鼻咽喉科

はるか耳鼻咽喉科

電話 0725-50-3333

耳鼻咽喉科専門医:中西 悠

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