耳鼻科専門医が解説

【テキスト版】のどが痛いとき見る動画

この動画がYoutube 【のどが痛い時 みる動画】のテキスト版です。

 

こんにちは

中西 悠です。

皆さんも 風邪をひいて喉が痛くなった経験があると思います。

このページでは

いわゆる 
喉(のど)の風邪のときによくある
「急性咽頭炎」 と 「急性扁桃炎」
について解説します。

この動画を見ていただくと 
どんなことがわかるかというと

まず 1つ目は
喉の解剖学的な名称が 正しくわかるようになります。

咽頭 とか  
喉頭 とか
扁桃 とか

どこを指しているかわかりますか?

のどの部位には、
細かく名称があるんですが
ちょっとまぎらわしいですよね。

今 コレを聞いて 
え??? 

ちょっと
何言ってるかわかんないんですけど

という方は

この動画をみると
のどの正しい名称がわかるようになります。

この動画を見たあとは 

病院に行ったときにこんな風にいえます。

「昨日から 右の扁桃のあたりが痛いんです」

とか

「上咽頭と中咽頭の間くらいがかゆいんです」

というように 
正しく ご自身の状態を説明できるようになります。

もしかすると医師によっては
ちょっと面倒くさい人がきたな、
と思われるかもしれないので、やり過ぎ注意です。

ふつーに
「喉が痛いです」 で大丈夫です。

 

その次にわかること2つ目は疾患の説明です

急性咽頭炎
これは、咽頭炎、あるいは喉頭炎ということもあります。
この動画では主に 咽頭炎についてお話します。

それから
急性扁桃炎について

医師が診察時にどんなところを見て
診断しているのか 
抗菌薬が必要なのかどうかの判断について
ポイントがわかります。

 

ではまず 喉の解剖から行ってみましょう。

みなさん、上咽頭 中咽頭 下咽頭 って聞いたことありますか?

この図のように 頭を横から見たときに 上から順に並んでるんです。


鼻の奥が上咽頭 その下が中咽頭 下咽頭になるんですが

覚え方としては

お口を あーんと開けたところで

一番奥に見えるの 行き止まりのあたりが 中咽頭 です。

中咽頭の前方、ようするに口の中は 
口腔といいます。

口腔の天井は 口蓋といいます。

歯に近い前のほうを 硬口蓋 後ろの方を軟口蓋といいます。

軟口蓋からぶらさがっているのが口蓋垂です。

いわゆる のどちんこですね。

ちなみに
診察のときは 私は のどちんことはいわないようにしています。

はじめにのどちんこいってしまうと

口蓋垂周囲の問題があるときに 
連発してしまうと ちょっとアレかなと思いますので。

それから
した 舌があって
頬の粘膜のことを頬粘膜といいます。

歯ぐきのことは歯肉といいます。

舌の下の平面を口腔底といいます。
舌下部とも表現します。

 

舌の根本のほうの 
両脇には 
口蓋扁桃があります。

扁桃と略されることも多いです。

口蓋扁桃も 扁桃も同じものを指します。

昔は扁桃腺という言い方もされていたようですが

近年では専門的に、 扁桃腺という言い方はしません。 

扁桃といいます。

中咽頭から上、

つまり、お口からが見えていない上のほうが上咽頭 下が下咽頭です。
下咽頭から下は食道です。

 


喉頭っていうのは
声を出す器官である
声帯の上下の部位を指します。
これは下咽頭の前の部分にもあたります。

声帯の高さっていうのは、
だいたい喉仏のすこし下くらいになります。

声を出すところの名称なので

風邪で 声がれがひどいようなときに
病院を受診して

声帯周囲の炎症があると
急性喉頭炎 という診断名になることがあります。

はいでは ここまで復習します。

お口をあけて 奥に見えるのが中咽頭 
その上が上咽頭 下が下咽頭
下咽頭の前に 声を出す声帯の周囲が喉頭です。

ハイ じゃあ 復習します。

私が
病院を受診した患者さん だとして
やってみますよ。

「先生、上咽頭と中咽頭と下咽頭と喉頭に 
 どこか おかしいところがないか見てください」

これはあまり良くない例です。

ちょっとめんどくさい人と
思われかねないので
ほんとにはやらないほうがいいいです。

病院を受診したときは 
一番困っていること、これを主訴というんですけれども、

シンプルに伝えてもらえると
正確な診断に結びつきやすいです。

逆にいいますと、医師はこの人の主訴は何なのかな、
と考えながらお話を聞いています。

 

解剖のお話はこれくらいにして 次いきます。

ここからは

急性咽頭炎について解説します。

かぜの 症状として 出てくる事が多いものなんですけれども 

そもそも 風邪 ってなにかというと

はっきりした定義はなくて、 主にウイルス感染によって上気道 つまり
鼻腔、鼻ですね、 咽頭 扁桃 喉頭の炎症が起こった状態といいます。

ここで主にウイルス感染により、といっているんですが
これは風邪の原因がウイルス感染が多くて 80~90%はウイルスだろうと、
と考えられているんですが、

細菌が原因の場合でも 風邪とされることがあります。

ウイルスあるいは細菌の感染する部位によって、 出てくる症状は
鼻炎だったり、咽頭炎だったり、扁桃炎だったり 喉頭炎だったり するわけです。

通常ウイルス感染による かぜ であれば 10日前後で治癒すると考えられています。

ただし、感染による免疫力低下にともなって、細菌感染合併による症状がでてくると
抗菌薬の投与が有効になってきます。

本来、自然治癒する ウイルス感染による 
かぜ に対して 抗菌薬が予防的に投与されると
耐性菌といって、お薬の効かない細菌が生み出されてくるので
世界中で問題になっているんです。

よく かぜなので 抗菌薬、抗生剤を下さいって 
診察室に入ってくるなり仰る患者さんもいるんですが
このあたりをご理解いただけるように お話します。

さて

風邪の原因となるウイルスは 
200種類くらいあるといわれているんですが
中でも

ライノウイルス、
コロナウイルス、
RSウイルスなどが多いとされています。

かぜの中で喉の痛みを訴えるような場合は
急性咽頭炎を考えます。

その症状は
急に発症する 咽頭痛 嚥下痛です。
耳をいたがることもあります。

急性咽頭炎の原因には ウイルス性も細菌性もあります。
だから その区別が大事なんですね。

実際には区別が難しいことも多いので

いつからのどが痛いですか?
熱はありますか?
せきや 鼻汁はありますか?
筋肉痛や関節痛はありますか?
家族に感染症の方はいませんか?

タバコ、お酒は多いですか?
胃酸が逆流したりしませんか?
他に何か思い当たることはないですか?

とうるさいくらいにたくさん質問して 診断の助けとするわけです。

その上で 診察していくんですね。
咽頭痛以外に
咽頭粘膜の発赤がどうか
扁桃に膿栓がついているかどうか

リンパ濾胞の腫脹の程度をみます。

さらに迅速検査や
必要に応じて
細菌感染と ウイルス感染の区別のために
血液検査を行うことがあります。 

急性咽頭炎の原因ですが

ウイルス の場合
アデノウイルス 
コクサッキーウイルス
インフルエンザウイルス
が多いとされています。

アデノウイルス、インフルエンザを疑うときは迅速検査をしますが
ふつうの、風邪症状で ウイルス性のものを疑ったときは
どのウイルスが原因であろうと 対症療法
つまり、解熱薬や、痛み止め、炎症を抑えるお薬などで様子をみて
自然軽快するのを 待つんですね。

急性咽頭炎を起こす細菌

溶連菌  正しくは A群β溶血性連鎖球菌 というんですが
     通称、溶連菌として 知られています。
   
インフルエンザ菌 

ブドウ球菌が多いとされています。

ここで
インフルエンザという名前で ウイルスのほうを連想される方も多いと思いますが
インフルエンザ菌というのもいて、これhが細菌なんですね。

耳鼻科領域では、よく炎症の原因となる菌で、小児の中耳炎にも多いです。

細菌感染が原因の場合には抗菌薬を投与します。

 

次に喉の痛みで 耳鼻科の外来でもよく見かける

急性扁桃炎について解説します。

こちらも原因は ウイルスのこともあるし、細菌のこともあるんですが

ウイルス性が多かった、いわゆるかぜ症候群とは逆で

細菌性のことも結構多くなります。

小児では ウイルス性が40〜70%と比較的多いとされています。

成人ではウイルス性が20〜30% くらいと考えられていて

つまり、成人の急性扁桃炎は細菌性が多いということです。

原因となる
ウイルスについては アデノウイルス 
細菌では 溶連菌が多いとされます。

こちらでも やはり大事なことは
細菌性か ウイルス性か見極めることなんですね。

診察でウイルス性を疑うポイントは

軟口蓋の点状出血
咽頭粘膜のびらん アフタ
歯肉炎などを併発しているときです。

伝染性単核球症
はべったりとした感じの白苔が扁桃につくことがあります。

単純ヘルペスによる扁桃炎も鑑別に上がります。

治療で大事なのは 重症度に応じた治療をすることです。

まず軽症の場合

抗菌薬を投与せず 解熱鎮痛薬や 抗炎症薬 
ネブライザーなど局所処置を行います。 

ただし 溶連菌陽性のときは 中等症に準じて抗菌薬を投与します。

次に中等症では 抗菌薬を投与します。

溶連菌であるかどうかにかかわらず
ペニシリン系抗菌薬が第一選択です。

特に溶連菌のときは 十分な期間 抗菌薬を投与しないと遷延化するため
10日間投与します。

ペニシリンアレルギーの場合は、
第一世代のセフェム系、や アジスロマイシンなどを使います。 

伝染性単核球症の可能性がある場合
ペニシリンで皮疹がでることがあるので、疑わしいときは投与を避けます。

重症例には 
ニューキノロン
第3世代セフェム系の抗菌薬を用います。

また、半減期の長い抗菌薬による
外来点滴を行います。

経口摂取が困難な場合、
基礎疾患がある場合
あるいは

扁桃周囲膿瘍や喉頭蓋膿瘍など
気道  つまり空気の通り道が狭くなる恐れがあれば

入院で 強力な点滴治療を考えます。

はい 後半 ちょっと専門的なお話になってしまいましたが
かぜをひいて
喉が痛いときに、どんなことが起こり得るのか
主に咽頭炎と
急性扁桃炎に限ってお話させていただきました。

喉の痛みを生じるものには 他にもいろいろありますので
お困りの際は 耳鼻科でご相談ください。

 

大阪 和泉市の耳鼻咽喉科

はるか耳鼻咽喉科

電話 0725-50-3333

耳鼻咽喉科専門医:中西 悠

 

 

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